刑事事件

2013年4月 1日 月曜日

再度の執行猶予

刑事裁判で一度禁錮以上の執行猶予付き有罪判決(保護観察なし)を受けたことがある者が、その執行猶予期間中に新たに犯罪行為を行って、起訴されるというケースがまま見受けられます。
この場合、法律上は、1年以下の懲役又は禁錮の言渡しを受け、情状に特に酌量すべきものがある場合には、もう一度執行猶予を受けることができるものとされています(刑法第25条2項)。これを再度の執行猶予と言います。

しかし、実務上、この再度の執行猶予が認められるのは非常に希で、執行猶予期間中に再度犯罪を犯し、起訴された場合には、実刑判決が言い渡されるのが通常で、以前の執行猶予が取り消される結果、前に言い渡された刑と新たに言い渡された刑が併せて執行されることが多いでしょう。

例えば、以前の事件で懲役1年6月、執行猶予3年の判決を受けていた場合に、新たな事件で懲役6月の実刑判決を受けた場合には、併せて2年の懲役が執行される(刑務所に行く)ことになります。
このように、執行猶予期間中に再度犯罪を犯して起訴された場合には、長期間刑務所に行くおそれがあることから、執行猶予付き有罪判決を受けた場合には、裁判官や弁護人から、執行猶予期間中は、軽微な犯罪でも実刑判決になり、今回の刑期と次に言い渡される刑期を併せた期間刑務所に行くことになる危険が高いため、十分注意するよう説明がなされることが多いと思われます。

それでも、スピード違反などの比較的軽微な犯罪で執行猶予期間中に起訴されるケースでご相談に至ることが多々あります。
このような場合であっても、ケースによっては、再度の執行猶予が可能な場合が考えられますので、もし、ご家族が執行猶予期間中に逮捕・勾留された、あるいは起訴された場合には、お気軽にご相談下さい。

投稿者 岡田・沼法律事務所

カレンダー

2014年1月
      1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30 31  

月別アーカイブ